PSI CyberSecurity Insight
2026年10月23日
株式会社ピーエスアイ
中小企業のセキュリティ評価取得を進める地域連携支援モデルの実証が示す実務ポイント
評価制度への対応が「やるべき」から「続けられる」へ
中小・中堅企業では、セキュリティ対策の必要性を理解していても、手順の具体化や担当者の確保が壁になりがちです。評価制度への対応は、日々の運用と両立させる設計が欠かせません。
近年は取引先要件として、一定水準の対策実施や第三者評価を求められる場面が増えています。対策が属人的だと継続が難しく、監査や説明責任にも耐えにくくなります。
そこで注目されるのが、地域の組織と専門事業者が連携し、診断から改善、証跡整備までを伴走する支援モデルです。単発の点検ではなく、継続運用に落とし込む発想が重要になります。
地域組織と専門事業者が伴走する実証の概要
国内的大手ITサービス企業は、「サイバーセキュリティお助け隊サービス(新類型)」の実証事業として、地域金融機関や商工会議所などと連携した支援を開始すると発表しました。最大80社の参加を見込みます。
目的は、中小企業がSCS評価制度の★3・★4を効率よく取得できるよう、現状の課題を可視化し、改善を進める運用モデルの有効性を検証することです。実証期間は2027年9月までとされています。
支援内容は、現状診断と助言、改善計画の策定、推奨されるITツール導入に加え、コンサルティングや教育なども含むワンパッケージ型です。実施内容を証跡として整え、申請までつなげる点が特徴です。
参加企業には、現状診断から証跡整備、申請支援、専門家による確認までを無償で提供するとされています。申し込みは、サービス提供事業者に問い合わせ、条件が合えば支援を受けられる流れです。
負担が大きいのは「実装」よりも「体制」と「証跡」
対策が進まない要因は、ツールの不足だけではありません。重要資産の棚卸し、責任分界、変更管理、インシデント時の連絡体制など、運用の骨格が未整備なケースが多く見られます。
また評価制度では、実施した事実を示す証跡が求められます。設定変更や点検結果が個人のメモに留まると、担当交代で継続できず、監査対応にも時間がかかります。
当面の実務としては、重要システム・端末・重要情報の一覧化を行い、責任者と緊急連絡担当を明確にすることが第一歩です。そのうえで、更新手順や例外対応を含む運用ルールを小さく定義します。
SCS評価制度の取得を検討する場合は、必要となる社内体制、対象範囲、求められる証跡の粒度を事前に確認することが重要です。診断結果をそのままにせず、改善計画と実行のサイクルに組み込む設計が求められます。
まとめ
ネットワークベンダーとして、PSIでは、多層防御を前提に「可視化→優先順位付け→継続運用」の流れを重視した設計を推奨します。単発の対策導入ではなく、運用で回る形に整えることが要点です。
また、ゼロトラストの考え方に沿って、端末・ID・ネットワークの境界を前提にしないアクセス制御と監視を段階的に取り入れることが有効です。特に中小企業では、守る範囲を絞る設計が現実的です。
加えて、ネットワークのセグメンテーション(分離)や権限最小化により、侵害時の影響範囲を限定できます。評価取得はゴールではなく、説明可能なセキュリティ運用を定着させる契機として捉えるべきです。
会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp