PSI CyberSecurity Insight
2026年7月31
株式会社ピーエスアイ
行政の基幹システム停止に学ぶ、全国規模のサービス中断リスクと備え
行政サービスの「可用性」が経済活動に直結する
行政システムへのサイバー攻撃は、情報漏えいだけでなく、業務停止という形で影響が顕在化します。特に登記や許認可など、社会の基盤手続きを担う領域では可用性が重要です。
近年は手続きのオンライン化が進み、中央のIT基盤に処理が集約される傾向があります。その結果、単一障害点が生まれやすく、攻撃や障害が全国的な停止に波及する懸念があります。
企業側にとっても、行政手続きの遅延は決済や契約、担保設定といった取引実務に影響します。サプライチェーンや不動産・金融を含む周辺業務まで含め、事業継続の観点で捉える必要があります。
海外の行政機関で発生した登記関連システム停止の事例
海外の行政機関で、土地台帳や不動産登記を担うITインフラがサイバー攻撃を受け、登記や取引に関わる手続きが停止したと報じられました。行政サービスの中核が止まった点が焦点です。
影響は国全体に及んだとされ、特定拠点や一部窓口の問題ではなく、広範に利用される基盤側での障害として扱われています。集中管理されたシステムほど、停止時の影響が大きくなります。
一方で、侵入経路や攻撃手法、データ改ざん・流出の有無などは公開情報からは断定できません。現時点で重要なのは、攻撃がサービス提供を停止させ得る現実を前提に備えることです。
全国停止を前提にしたBCPと多層的な防御のポイント
登記や決済に関わる行政手続きが止まると、名義移転、担保設定、契約後の精算などが進まず、取引全体が滞留する可能性があります。停止期間が読めない場合、関係者の調整コストも増大します。
対策は「侵入させない」だけでなく、「止めない・止まっても戻せる」を同時に満たす設計が重要です。冗長化、切り替え手順、復旧手順の整備に加え、代替運用(紙・窓口等)の判断基準も要ります。
さらに、監視とインシデント対応の体制整備が不可欠です。異常検知から封じ込め、関係者への連絡、復旧判断までの流れを平時に定義し、演習で実効性を確認しておくことが求められます。

まとめ
ネットワークベンダーとして、PSIでは、基幹サービスに対して多層防御と可用性設計を一体で見直すことを推奨します。境界防御に加え、セグメンテーションで影響範囲を限定する考え方が有効です。
また、ゼロトラストの発想で認証・認可を継続的に強化し、監視とログに基づく早期検知を重ねることが重要です。攻撃の詳細が不明でも、検知と封じ込めの仕組みは効果を発揮します。
最後に、復旧手順と代替運用を含むBCPを、机上でなく実運用として整備することが要点です。全国規模の停止を前提に、平時から「止めない・戻す」体制を継続的に磨く必要があります。
会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp