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2026年7月01日

株式会社ピーエスアイ

量子時代に備える暗号移行と統合セキュリティ戦略の考え方

量子リスクは「将来」ではなく移行準備の経営課題

量子コンピューターの実用化が視野に入り、暗号と運用は将来課題から移行課題へ変わりつつあります。特に長期秘匿が必要な情報は、今の判断が数年後の損失を左右します。

影響範囲は公開鍵暗号(RSAや楕円曲線暗号)だけに留まりません。VPNやTLS、電子署名、PKI、認証基盤まで連鎖し、業務基盤全体の再点検が必要です。

さらに「Harvest Now, Decrypt Later(今収集して将来解読)」の前提に立つと、通信や保管データを今から狙われ得ます。到来時期の予測より、準備のリードタイムが重要です。

海外通信事業者が示したE2E発想の統合セキュリティ例

海外の大手通信事業者が、量子時代を見据えたE2E(End-to-End)の統合戦略を公開しました。ネットワークだけでなく、データ、ID、鍵、運用まで一気通貫で捉える枠組みです。

量子耐性は暗号方式の置き換えだけでは完結しにくい点が現実です。移行期は従来暗号とPQC(耐量子暗号)が混在し、互換性や性能、証明書更新が複雑化します

また暗号はセキュリティの一要素に過ぎず、ゼロトラスト、ログ統合、インシデント対応と整合しないと効果が限定されます。E2Eは「暗号更改を運用改革に接続する」考え方です。

技術面では、量子鍵配送(QKD)のように盗聴検知可能な鍵共有も論点になります。ただし距離や設備の制約があるため、特定の高機密区間での選択肢として位置づけるのが現実的です。

企業が取るべき対策は「棚卸し・段階移行・統制」の三点

第一に、暗号利用の棚卸しと優先順位付けです。TLS終端、VPN、S/MIME、コード署名、端末証明書、IoT/OTの組込み暗号まで洗い出し、秘匿期間が長い経路から着手します。

第二に、PQC移行ロードマップの策定です。ハイブリッド運用を前提に、プロトコル対応や性能影響、製品の対応時期、証明書更新サイクルを踏まえ、段階的な切替計画へ落とし込みます。

第三に、鍵管理とガバナンスの強化です。証明書、秘密鍵、HSM、KMS、APIトークンなどを「暗号資産」として可視化し、期限・依存関係・重要度を管理できないと移行は破綻します

加えて調達・委託先を含むサプライチェーン要件の明文化が欠かせません。暗号アジリティ(方式を迅速に切り替えられる設計)や更新自動化、脆弱性対応SLAを要件化します。

まとめ

ネットワークベンダーとして、PSIでは、量子時代の不確実性に対して「暗号だけを更新する」のではなく、多層防御として統合設計する考え方を重視します。

具体的には、暗号資産の可視化とガバナンス、ゼロトラストの前提でのID統制、セグメンテーションによる影響限定、ログの一元化と対応力強化を同時に進めることが有効です。

到来時期の予測に依存せず、データの秘匿期間と移行の所要時間から逆算して準備を始めることが現実解です。E2Eの視点で全体最適を図ることが、持続的な防御力につながります。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

報道関係者様からのお問合せ先

株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp