PSI CyberSecurity Insight
2026年6月12日
株式会社ピーエスアイ
AI活用型攻撃で高まる医療の診療停止リスクと、可用性を守る現実的対策
AIが加速させる標的型攻撃と、医療分野の狙われやすさ
医療分野のサイバー被害は、情報漏えいに加え診療停止へ直結します。近年は攻撃者もAIを使い、侵入から恐喝までを効率化しています。
公開情報から担当者や委託先を特定し、自然な文面の標的型メールを量産できます。脆弱性の探索や悪用手順の整理も高速化し、初動が早まります。
24時間稼働で停止が許されず、レガシー機器や連携先も多い点は弱点です。AIはこの構造を突き、成功確度と攻撃速度を同時に引き上げます。
国内医療機関で想定されるAI時代の侵入から暗号化まで
従来は添付ファイル起点が注目されましたが、現在は複線的です。標的型メール、認証情報の窃取、VPNなど外部公開面の侵害が組み合わさります。
侵入後は権限昇格と横展開で重要サーバへ到達し、暗号化やデータ窃取に移ります。AIにより社内会話の模倣や文章生成が容易になり、検知を遅らせます。
特に医療では電子カルテ、検査、画像、会計、処方、予約が連鎖します。1系統が止まるだけでも業務が詰まり、結果として可用性の損失が最大リスクになります。

「止めない」「早く戻す」を軸にした優先順位と実装ポイント
攻撃を100%防ぐ前提よりも、止めない設計と早期復旧が重要です。現場の制約として、財源不足や専門人材不足を織り込んだ優先順位が求められます。
最優先はバックアップです。3-2-1(複数媒体・別媒体・オフサイト等)を意識し、世代管理と改ざん耐性を確保します。加えて復旧訓練で実際に戻せる状態を確認します。
次に外部公開面の多要素認証を徹底し、特権IDの使い回しや共有を減らします。利用記録と承認に近づけるだけでも、侵入後の横展開や破壊的操作を抑制できます。
更新困難な医療機器は、ネットワーク分離と通信制御で守ります。重要系のセグメント化、管理端末の限定、不要な管理プロトコル遮断など、段階的な実装でも効果があります。
監視は導入より運用設計が鍵です。メールのなりすまし対策、添付隔離、URL無害化に加え、端末の侵害兆候を検知できる体制を整えます。24時間の常時監視が難しい場合は、重大アラートの優先度設計や外部支援の活用が現実的です。
まとめ
ネットワークベンダーとして、PSIでは可用性を中心に据えた多層防御への転換が重要だと考えます。侵入前提で分離と権限統制を行い、被害の局所化を狙います。
同時に、復旧できるバックアップと訓練、意思決定の明確化で「止まっても戻る」力を高めます。技術と運用、統制を一体で設計することが要点です。
AI時代は攻撃の速度が上がる一方、守る側も自動化で対抗できます。ゼロトラストやセグメンテーションを軸に、平時から継続性を守る設計を進めることが有効です。
会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp