PSI CyberSecurity Insight
2026年6月09日
株式会社ピーエスアイ
高性能AIで巧妙化する医療機関向け攻撃と現実的な備え
AIの普及で「巧妙な攻撃」が日常化しつつある
高性能AIの進化は業務効率化を進める一方で、攻撃の量と質を同時に押し上げます。従来は手間がかかった標的型攻撃も、低コストで量産されやすくなります。
医療は社会インフラであり、停止や改ざんが患者安全に直結します。そのため、攻撃者にとって「止めにくい現場」は交渉材料になりやすく、狙われやすい構造があります。
近年はランサムウェア被害の長期化に加え、委託先経由の侵害も増えています。AIによる詐欺や侵入の高度化が重なり、複数の弱点が同時に突かれやすい状況です。
医療現場で起きやすいAI悪用の攻撃シナリオ
AIが特に強化するのは「入口」の作り込みです。医療や行政、取引先の文体を模倣した自然な日本語メールが作られ、違和感の少ない誘導が増えやすくなります。
さらに、部門名や機器名、もっともらしい案件名を織り込んだ個別最適化も容易です。結果として、巧妙さの平均値が上がり、現場での見分けが一段と難しくなります。
音声・動画によるなりすましで、支払い指示やアカウント操作を促す手口も想定すべきです。公開情報や設定ミスを手掛かりに、侵入口探索や手順の効率化も進みます。
侵入後は端末やサーバへ横展開し、暗号化で診療や会計を止める流れが典型です。バックアップがあっても、復旧手順や権限設計が弱いと長期停止に陥り得ます。

被害を抑えるために優先したい技術・運用の要点
まず重要なのは、侵入される前提で被害を最小化する設計です。メール、VPN、クラウド、管理者アカウントに多要素認証(MFA)を優先適用し、特権IDは日常利用と分離します。
最小権限とアクセス制御で部門ごとの到達範囲を絞り、横展開を抑止します。あわせてメール認証やフィルタリング、添付ファイルや実行形式の制御で、入口の成功率を下げます。
ランサムウェア対策の土台はバックアップと復旧です。オフラインや不変(イミュータブル)保全を検討し、取得だけでなく「戻せるか」を復旧訓練で検証しておく必要があります。
医療機器や検査装置は更新制約により脆弱性を抱えがちです。機器系と事務系のネットワーク分離、不要通信の遮断、保守回線のアクセス制御、ログ取得の整備が被害範囲を左右します。
委託先・ベンダー管理も境界の弱点になりやすい領域です。遠隔保守は時間限定や申請制、作業ログ取得をルール化し、契約で連絡・初動・証拠保全・復旧支援の責任分界を明確にします。
まとめ
ネットワークベンダーとして、PSIでは多層防御の考え方に基づき、入口対策と内部拡散防止を同時に設計することを推奨します。単点の対策ではなく、認証・権限・監視の組み合わせが重要です。
また、ゼロトラストの発想で「誰が・どこに・何を」アクセスできるかを継続的に見直し、ネットワークのセグメンテーションで業務停止リスクを局所化することが有効です。
最後に、インシデントは起こり得る前提で、止めない設計と初動の具体化を進めるべきです。訓練と手順整備を平時から回し、変化する脅威に追随できる運用体制を整えることが要点です。
会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp