PSI CyberSecurity Insight
2026年6月08日
株式会社ピーエスアイ
生成AIの悪用で加速する攻撃にどう備えるか:金融・重要インフラの防衛再設計
生成AIの普及が「攻撃の速さ」を変える
生成AIの高度化は、業務効率を上げる一方で、攻撃者の作業も効率化します。焦点は特定のAIの善悪ではなく、攻撃工程が高速化する点にあります。
特に偵察、文面作成、手順書化、マルウェア改変といった周辺作業が自動化され、攻撃の「成功率」以上に「回転率」が上がることが重要です。
その結果、従来は手間がかかり成立しにくかった大量試行型の攻撃が、低コストで回るようになります。金融や重要インフラほど影響が大きくなります。
金融・重要インフラで想定すべきAI悪用シナリオ
フィッシングやBEC(ビジネスメール詐欺)は、自然な日本語や業界文脈の再現で見抜きにくくなります。請求書差し替えや送金依頼が、承認プロセスの隙を狙います。
脆弱性探索や侵入手順も半自動化され、境界機器やクラウド設定不備が起点になりやすい状況です。侵入後の横展開が短時間で進むリスクが高まります。
またマルウェアの小改変を高速に繰り返し、検知を数時間〜数日遅らせることが現実的な狙いになります。その遅延がランサムウェア展開や情報持ち出しを助けます。
重要インフラでは、OT(制御系)を直接攻撃するより、メールや端末、認証、保守用VPNなどIT側から侵入し、構成情報を踏み台に横移動する流れが想定されます。

守りを強くするための実務ポイントと政策論点
対策は規制の強弱だけでなく、実装可能なガードレールと現場運用の底上げが鍵です。特に脅威インテリジェンスの速報性と、官民連携の即応性が問われます。
AI提供側の安全設計は重要ですが万能ではありません。利用者側でも、機密データの投入制御、プロンプト経由の情報漏えい対策、監査ログ整備が必要です。
チェックリスト型の遵守だけでは追いつかないため、MTTD(検知時間)やMTTR(復旧時間)の短縮など、レジリエンスを測るKPIへ重心を移すことが現実的です。
金融では特権IDの防衛、条件付きアクセス、端末健全性の確認などで横移動しにくい構造を作ります。送金業務は別チャネル確認など、模倣されにくい手順が重要です。
重要インフラではIT/OT境界の厳格化、遠隔保守の接続元・時間制限、セッション記録が有効です。更新できない資産は分離や監視で補い、停止を前提にしない復旧演習を重ねます。
まとめ
ネットワークベンダーとして、PSIでは、生成AI時代の防御は「対策の追加」より「設計の更新」が重要だと考えます。攻撃の高速化を前提に多層防御を組み直します。
具体的には、ゼロトラストの考え方で信頼境界を縮め、権限を最小化し、セグメンテーションで横展開を抑える方針が有効です。検知と封じ込めを早める設計が要点です。
加えて、平時の訓練と手順整備により、MTTD/MTTRを短縮できる運用体制を作ることが重要です。官民の情報共有も含め、変化の速さに追随できる耐性を高めます。
会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp