PSI CyberSecurity Insight
2026年9月08日
株式会社ピーエスアイ
組込みや業務アプリに潜むUse After Free脆弱性から学ぶ、ライブラリ管理の要点
広く同梱されるデータベース部品の脆弱性が示すリスク
国内の脆弱性情報として、軽量データベースに解放済みメモリ使用(Use After Free)の問題が公表されました。単体製品の更新に見えても、実務では影響範囲の把握が難しい類型です。
Use After Freeは、解放したメモリ領域を再参照してしまう不具合です。条件がそろうとメモリ破損や異常終了を起こし、結果としてサービス妨害や想定外の処理につながり得ます。
特に注意したいのは、この種のデータベースエンジンが業務アプリ、開発フレームワーク、組込み機器などに同梱されやすい点です。自社で直接導入していなくても、内部で利用している可能性があります。
Use After Free脆弱性が悪用される代表的な成立条件
公表情報の詳細(CVE番号、CVSS、攻撃条件の厳密な範囲)は参照先での確認が必要です。本記事では入力情報にない要素を断定せず、一般的に想定される観点を整理します。
軽量データベースの脆弱性は、攻撃者が任意のSQL文を実行できる状況で悪用につながることがあります。アプリの入力経路からDB操作へ到達できる設計は、重点的に点検が必要です。
もう一つの典型は、悪意あるデータベースファイルをアプリケーションに開かせるケースです。外部から受け取ったファイルを取り込む運用や、連携機能でDBファイルを扱う場合は、成立条件を満たしやすくなります。

影響評価と更新を進めるための実務ポイント
まずは資産の棚卸しとして、サーバや端末だけでなく、業務ソフトや組込み機器、開発中の成果物に当該データベース部品が含まれるかを確認します。同梱ライブラリは見落としやすい領域です。
影響が疑われる場合は、製品ベンダや提供元が案内する修正版への更新可否を確認します。自社開発で静的/動的リンクしている場合は、修正版への差し替え後に再ビルドと再配布が必要になります。
更新まで時間がかかる環境では、外部からのSQLやDBファイル取り込み経路を洗い出し、権限制御や取り込み元制限、検証を追加します。あわせて異常終了や例外を検知できる監視と切り分け手順も整備します。
まとめ
ネットワークベンダーとして、PSIでは、アプリとネットワークの境界だけに頼らず、多層防御で侵入後の影響を局所化する考え方を重視します。脆弱性は「存在」よりも「到達可能性」の評価が鍵です。
また、ゼロトラストの観点で、入力経路・権限・実行経路を前提にしない設計へ見直すことが重要です。特に外部ファイル取り込みや連携機能は、想定外データを受け取りやすい箇所です。
最後に、セグメンテーションや権限分離により、仮にプロセス異常や侵害が起きても横展開しにくい構造を作ります。併せてSBOM等の考え方で部品の把握を進めると、同梱ライブラリの更新判断が早まります。
会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp