PSI CyberSecurity Insight

トップ> Insight Post一覧> 第208号:選挙関連インフラを狙うサイバー攻撃急増から学ぶ監視と防御の要点

2026年7月14日

株式会社ピーエスアイ

選挙関連インフラを狙うサイバー攻撃急増から学ぶ監視と防御の要点

社会インフラとしての選挙運営を狙う圧力が高まっている

海外の選挙管理を担う行政機関を標的に、上半期だけで10万件超の攻撃が観測されたと報じられました。重要インフラとしての注目度が高く、攻撃が集中しやすい領域です。

報道では、特定の国家由来と分類された攻撃が前年同期比で大幅に増えた点も示されています。ただし、件数の定義や分類根拠、実害の有無は提示情報だけでは確認できません。

それでも、攻撃の「量」が増える局面では、検知・遮断・復旧の運用負荷が跳ね上がります。攻撃が成功するか否か以前に、組織の対応能力が試される状況になり得る点に警戒が必要です。

海外の行政機関で観測された大量アクセスと標的型リスク

報道によれば、選挙運営・管理を担う海外行政機関に対する攻撃が、上半期だけで過去最多規模に達したとされています。件数増加は継続的に狙われている兆候と受け止められます。

一方で、攻撃手法(DDoS、脆弱性悪用、フィッシングなど)や侵入経路、情報流出・業務停止の有無は明らかではありません。ここは事実として切り分けて捉える必要があります。

攻撃主体の特定は一般に難易度が高く、分類は複数の状況証拠に基づくことが多いです。したがって、防御側は「誰か」を特定することに囚われず、「何が起きても耐える」前提で備えることが現実的です。

攻撃件数の増加がもたらす影響と、優先すべき基本対策

大量の攻撃が継続すると、監視アラートの増加による見逃し、ログ保全の不備、復旧手順の属人化といった二次的リスクが顕在化します。業務継続と信頼確保の観点で対策の優先度が上がります。

技術面では、認証強化(多要素認証や特権ID管理)、外部公開資産の棚卸し、脆弱性管理の定常化が基礎になります。加えて、重要系と事務系の分離などネットワーク分割も有効です。

運用面では、ログの収集・保全と継続監視、インシデント対応手順(検知→封じ込め→根絶→復旧→再発防止)の整備が重要です。攻撃手口が不明でも、初動品質が被害の拡大を防ぐ最大の差になります。

  • 監視と記録の徹底:重要ログの集中管理、保全期間の確保、アラート運用の見直しを行う。
  • 認証の強化:重要システムは多要素認証を前提とし、特権アカウントの利用を最小化する。
  • 脆弱性管理:公開系を優先して棚卸しし、パッチ適用と設定点検を定期運用に組み込む。
  • 対応手順の整備:役割分担、連絡系統、隔離判断、バックアップからの復旧手順を平時に検証する。

まとめ

ネットワークベンダーとして、PSIでは、攻撃主体の推定に依存せず「観測される攻撃量が増えても耐えられる」多層防御の設計を重視しています。入口対策と内部対策を分けて考えることが要点です。

また、ゼロトラストの考え方に基づき、強固な認証・最小権限・継続的な検証を運用に落とし込むことが重要です。特に行政・社会インフラ領域では、システムを止めないための設計が求められます。

最後に、セグメンテーション(ネットワーク分割)と可観測性を軸に、平時から監視と対応手順を整備することが効果的です。攻撃が増える局面ほど、事前に決めた手順が組織を支えます。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

報道関係者様からのお問合せ先

株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp