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2026年7月02日

株式会社ピーエスアイ

セキュリティ人材不足を乗り越えるための育成設計と実戦型トレーニングの要点

ツール導入だけでは埋まらない「人」と「仕組み」のギャップ

サイバー攻撃の高度化とクラウド活用の拡大により、対策はツール導入だけで完結しにくくなりました。脆弱性対応やログ分析など、求められる実務は年々複雑化しています。

一方で多くの企業が直面するのは、慢性的な人材不足です。採用難に加え、育成の型が整っておらず、個人の努力に依存しやすい点がボトルネックになりがちです。

本稿では、国内のセキュリティコミュニティ形成の知見を踏まえつつ、企業が再現性をもって人材を育てるための設計ポイントを整理します。

育成が進まない背景にある「成果の見えにくさ」と部門横断の難しさ

セキュリティ教育が難しい理由は、知識領域の広さや変化の速さだけではありません。問題が起きない限り評価されにくく、業務と学びが分断されやすい構造があります。

現場は短期のインシデント対応や運用課題の消火に追われ、体系的な学習や振り返りが後回しになりがちです。その結果、改善が属人化し、再発防止が進みにくくなります。

さらにセキュリティはIT部門だけの課題ではなく、開発、運用、法務、調達、経営まで関与します。意思決定の回路や責任分界が曖昧だと、学んだスキルが成果に変換されません

実戦機会の設計で学びを定着させ、組織知として積み上げる

継続的に知見へアクセスできる環境は、インプット以上の価値を持ちます。実務者が成功・失敗を持ち寄り、次の実装につなげる循環があるかどうかが育成の成否を分けます。

座学は必要条件に過ぎず、重要なのは実戦機会を業務プロセスに組み込むことです。CTFやログ分析演習などを小さく反復し、監視項目や運用ルールの改善へ接続させます。

インシデント対応の机上演習は、手順確認だけでなく意思決定の質を高める場として設計します。証拠保全や広報判断、委託先連携など境界領域まで含め反復することが有効です。

加えて、設定変更や検知ルールの追加は属人化しやすい領域です。軽量なレビューとポストモーテム(事後検証)を定着させ、判断理由を記録して教材化すると再現性が高まります。

役割設計・評価指標・キャリア設計が育成を回し続ける

専門家を増やす前に、役割の地図を描くことが欠かせません。SOCアナリストや脆弱性管理、GRCなど職能は多様で、期待成果が曖昧なままではミスマッチが起こりやすくなります。

役割ごとに「期待成果」「必要スキル」「連携先」「評価指標」を定義すると、学習計画が具体化します。例えばSOCでは処理件数より、誤検知率や封じ込めまでの時間などが整合しやすいです。

本人にとってのキャリアの見通しも、学習継続の重要要素です。「何ができれば次へ進めるか」を明示し、アウトプット機会を制度化すると組織知が蓄積します。

経営は時間・予算・権限の三点セットを押さえる必要があります。学習時間が確保できず、演習環境もなく、改善を実装できない状態では、優秀な人ほど消耗しやすくなります。

まとめ

ネットワークベンダーとして、PSIでは、セキュリティ人材育成は「個人を鍛える」だけでなく、成長が起きる環境を設計することが要点だと考えます。多層防御やゼロトラストと同様に、育成も仕組み化が重要です。

継続的な学びを業務に接続し、演習とレビューで暗黙知を形式知へ変換することで、組織としての再現性が高まります。役割設計と評価指標を整え、部門横断で意思決定できる状態を作ることが土台になります。

短期で人材不足を解消することは難しい一方、育成の設計は今日から着手できます。学習の習慣化、責任分界の明確化、継続的改善の循環づくりを両輪で回すことが、持続的な防御力につながります。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

報道関係者様からのお問合せ先

株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp