PSI CyberSecurity Insight
2026年5月18日
株式会社ピーエスアイ
国家・準国家レベルの攻撃が示す新局面と、組織が見直すべき実務対策
攻撃の「新しさ」はマルウェア名ではなく運用モデルの変化にある
サイバー攻撃は国内外で高度化し、行政からも新たな脅威への警戒が示されています。注目点は、未知の手口の増加というより、攻撃の進め方が変化したことです。
初期侵入から権限昇格、横展開、情報窃取、暗号化までの時間が短縮しています。検知が半日から1日遅れるだけで、影響範囲が一気に広がり得ます。
さらに標的が企業のIT資産にとどまらず、医療、物流、行政など社会機能へ拡大しています。停止の影響が大きいほど、攻撃者の交渉材料になりやすい構図です。
国内行政機関が示した「政府横断」の意味と、企業にも必要な連携
国内行政機関が「政府全体で」対策を推進する姿勢を示したのは、縦割りでは対応しづらい現実があるためです。捜査、外交、防衛、規制、危機管理広報が同時に関わります。
また近年はサプライチェーン経由で被害が波及します。個社の努力だけでは限界があり、脅威情報の共有や最低基準の整備など、全体最適の取り組みが重要です。
企業・自治体側も、平時の予防だけでなく有事の封じ込めと復旧を含む体制が求められます。「侵入は起こりうる」前提に立つことが、現実的な出発点になります。

特定グループ名が報じられるときに想定すべき攻撃の特徴
報道で特定の攻撃グループが取り沙汰される局面では、攻撃の「組織化」と「持続性」が疑われます。一度成功した手順がテンプレート化され、複数組織に再利用されがちです。
侵入では認証情報の窃取、脆弱性悪用、Living off the Land(正規ツール悪用)などが組み合わされます。自動化された横展開もあり、現場の初動が遅れると後手に回ります。
脅迫も暗号化だけでなく、窃取データの暴露や取引先への連絡など多層化します。そのため、侵入防止に加え、影響を局所化する設計と復旧の速さが競争力になります。
影響を最小化するために優先したい実務ポイント
高度な攻撃ほど、基本対策の抜け穴が起点になります。まずMFAをクラウド、VPN、メール、管理者アカウントへ徹底し、特権IDの運用を日常利用から分離することが重要です。
次に、外部公開資産の棚卸しと脆弱性の可視化を進めます。どの端末・サーバが未適用パッチかを把握し、パッチ適用に期限(SLA)を設けると優先順位が定まります。
監視は製品導入だけでは不十分です。認証ログ、DNS、プロキシ、クラウド監査ログを統合し、夜間休日を含むエスカレーションと初動手順を整備して初めて機能します。
復旧では、バックアップが同時に破壊される前提が必要です。オフラインやイミュータブル(改ざん困難)な保全に加え、復旧手順の定期演習と現実的なRTO/RPO設定が鍵です。
サプライチェーン対策として、委託先の遠隔保守やVPN経由の接続は最小化し、分離を検討します。契約面でもMFA、ログ提出、通知義務などの要求を明確化しておくべきです。
まとめ
ネットワークベンダーとして、PSIでは、多層防御を前提に「侵入を完全に防ぐ」発想から「侵入後に広げない」設計へ重心を移すことを推奨します。重要なのは境界だけでなく内部の分離です。
また、ゼロトラストの考え方に沿って、IDを中心にアクセスを検証し続ける運用が求められます。可視化、ログ統合、権限管理、復旧設計を一体として整えることが実効性を高めます。
最後に、平時の設計と有事の連携が成果を左右します。机上の計画を訓練で更新し、意思決定と初動を速めることで、被害の局所化と事業継続の確度を高められます。
会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp