PSI CyberSecurity Insight
2026年5月14日
株式会社ピーエスアイ
AIで加速する標的型攻撃と国家級リスクに備える、統制・検知・復旧の再設計
生成AIが変える攻撃環境と、企業が直面する現実
生成AIの普及は生産性を高める一方で、攻撃者の効率も大きく押し上げます。時間と技術が必要だった攻撃が、低コストで量産されやすくなりました。
特に標的型攻撃やソーシャルエンジニアリングは、相手の業務文脈に合わせて精度が上がります。多言語で自然な文面が作られ、海外拠点も狙われやすくなります。
情シスに求められるのは、AIを使うかどうかではなく、AI時代の攻撃モデルを前提に統制と防御を再設計できているか、という点です。
AIで「量・精度・速度」が同時に上がる攻撃の実像
AIの影響は自動化だけではありません。情報収集から侵入、横展開、痕跡隠蔽までを、ひとつの作業工程として高速に回しやすくなることが本質です。
例えばフィッシングは、役職や社内用語に合わせた文面の最適化が進みます。送信タイミングまで調整され、見抜きにくい攻撃が増える可能性があります。
さらに、侵入後に入手したログや設定、断片的なソースコードをAIで解析し、権限昇格や横展開の手順を探す動きも現実的です。偶然ではなく、狙って刺す攻撃が増えます。
国家級リスクが企業活動に波及する理由
国家や準国家組織が関与しうる攻撃は、金銭目的に限りません。機微技術の窃取や継続的な情報収集など、長期戦を前提に企業が狙われます。
重要なのは、単体の防御が強くても安心できない点です。子会社や委託先、取引先などサプライチェーンの弱点が突破口となり、最短経路で目的を達成されます。
AIにより組織図や文体、会計処理の流れなどの業務コンテキストが悪用されると、BEC(ビジネスメール詐欺)や送金指示の偽装が成立しやすくなります。
企業が取るべき具体的な対策と運用の要点
対策は個別製品の追加より、設計原則の徹底が効果的です。侵入前提で、統制・検知・封じ込め・復旧を一体で整えることが求められます。
認証は多要素認証を基本とし、フィッシング耐性のある方式も優先します。特権アカウントの保護、条件付きアクセス、ID棚卸しと権限最小化が重要です。
検知は「ログを集める」だけで終わりません。アラートの優先順位、対応手順、隔離・封じ込めの権限委譲まで整備し、端末やSaaSの見える化を進めます。
復旧はバックアップの有無ではなく、復旧できることが要点です。世代管理やオフライン保管、復旧訓練、復旧時間目標を明確化し、BCPと整合させます。
サプライチェーンは契約と運用で締める必要があります。アクセス方式、ログ提供、インシデント報告、脆弱性対応などを明文化し、経由侵入を前提に制御します。

まとめ
ネットワークベンダーとして、PSIではAI時代の脅威を前提に、多層防御とゼロトラストの考え方で全体最適を図ることが重要だと考えます。境界だけに頼らない設計が基盤です。
また、侵入を完全に防ぐ発想から、早期検知と封じ込め、復旧力の強化へ重心を移すことが現実的です。ネットワークのセグメンテーションも被害局所化に有効です。
最後に、AI利用の統制を業務プロセスと一体で整え、監査可能性と説明責任を担保することが欠かせません。許容リスクを定め、継続的に見直す姿勢が求められます。
会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp