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2026年5月8日

株式会社ピーエスアイ

大型連休で攻撃が減ったように見える時期に潜む防御の盲点

「攻撃減少」のニュースをどう読み解くべきか

大型連休にサイバー攻撃が減ったという話題は、安心材料として受け取られがちです。ですが実務では、減少の背景を分解して捉える姿勢が重要です。

攻撃は「常に一定」ではなく、攻撃者の稼働、標的の稼働状況、観測条件の変化で見え方が変わります。数字だけで安全性を判断すると、対策の優先度を誤ります

本当に見るべき点は、休暇中でも防御態勢を維持できるか、休暇明けの反動を抑えられるかです。連休は守りの弱点が露呈しやすい期間でもあります。

連休で攻撃が減る3つの要因と「見えないリスク」

第一に、攻撃グループも人員と手順に依存するため、稼働が落ちる可能性があります。特にランサムウェアは侵入後の横展開や交渉が必要で、運用が止まると実行しにくくなります

第二に、休暇で企業の稼働が下がると、フィッシングや送金詐欺の成功率も下がり得ます。受信者がメールを開かず、承認やサポートが止まる時期は、費用対効果が悪化しやすいからです。

第三に、観測データの偏りにも注意が必要です。連休は通信量や利用が減り、検知ルールによってアラートが減ることがあります。低頻度で潜伏する攻撃は数に表れにくく、減少=安全とは言い切れません

さらに厄介なのは、攻撃者が派手な活動を避け、認証情報収集やバックドア設置など下準備に徹するケースです。監視体制が薄くなるタイミングほど、目立たない作業が進みやすくなります。

休暇明けの反動を抑えるための現実的な備え

連休明けは業務が一斉に動き出し、メール処理や請求、アカウント発行、変更作業が集中します。この混乱に乗じて、フィッシングやBEC(ビジネスメール詐欺)などが刺さりやすくなります。

また、休暇中に適用できなかったパッチや設定変更が積み上がると、脆弱性対応の遅れが露呈します。攻撃者は公開された脆弱性情報や流出情報を手がかりに、休暇明けの隙を狙うことがあります。

対策としては、連休中の人員減を前提に「薄くしない監視」を設計することが要点です。自動ブロックや隔離など、判断待ちで被害が広がる領域を減らし、休日用のエスカレーションを事前に整備します。

加えて、侵害の起点になりやすいアイデンティティ対策が効きます。多要素認証の徹底、特権IDの分離、不要アカウントの棚卸し、退職・異動に伴う無効化の即時性が、休暇期の侵入口を減らします。

最後に、バックアップは「ある」ではなく「復旧できる」ことが重要です。復旧手順の定期テストと、バックアップ領域へのアクセス制御、改ざん耐性の確保により、連休中の人手不足でも復旧可能性を高めます。

まとめ

ネットワークベンダーとして、PSIでは、攻撃件数の増減を単純な安全指標にせず、季節要因で揺らぐ運用を前提に多層防御を組み立てる考え方を重視します。

具体的には、ゼロトラストの発想で認証と権限を起点にリスクを抑え、監視・封じ込め・復旧の各プロセスを「人が少ない日でも回る」状態に近づけます

連休は例外ではなく、毎年繰り返される前提条件です。セグメンテーションや例外管理を含め、平時の設計で休暇中も淡々と防御が継続できる体制づくりが重要です。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

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広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
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