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2026年4月9日

株式会社ピーエスアイ

海賊被害は減少でも安心できない:ドローンとサイバーが変える海上セキュリティ

マラッカ・シンガポール海峡で変化する脅威のかたち

アジアの主要海峡では、銃器や刃物を用いた凶悪な海賊事件が減少しています。沿岸国の取締り強化や監視体制の高度化が奏功したと見られます。

一方で、脅威そのものが消えたわけではありません。犯罪側は強襲型から、発覚しにくい遠隔・非接触型へと手口を変えています

海上輸送のデジタル化や省人化が進むほど、ドローンやサイバー攻撃は「近づかずに損害を与える」手段として現実味を増します。

監視の重層化が強襲型を減らし、攻撃は遠隔型へ

海賊事件が減った背景には、沿岸国の法執行能力の底上げがあります。情報共有や即応体制が整い、成功しにくい環境が形成されてきました。

監視面では、AIS(船舶自動識別装置)や沿岸レーダー、衛星画像などの活用が進みました。接近や乗り込みの準備段階で捕捉されるリスクが高まっています。

その結果、攻撃者は費用対効果の高い方法へ適応します。代表例が、ドローンによる偵察・妨害、そして船舶や港湾を狙うサイバー攻撃です。

企業が備えるべきリスク:ドローン悪用と海運・港湾のサイバー攻撃

ドローンは安価で運用しやすく、上空から短時間で警備の弱点を把握できます。停泊中の船や港湾施設の様子を偵察されると、従来より発覚しにくくなります。

港内や狭い海峡では、ドローン接近が見張り負担を増やし、注意散漫を誘発します。危険物搭載船や大型船では、軽微な妨害でも事故リスクに直結しかねません。

サイバー面では、OT(制御・運用技術)とITが混在するため影響が現場の安全に波及します。通信設定不備、弱いリモート接続、未更新端末、共有アカウントは狙われやすい要因です。

被害は業務停止だけでなく、データ改ざんも深刻です。航海計画や貨物情報が静かに書き換えられると、発見が遅れ、運航判断や保険対応にも影響が及びます。

まとめ

ネットワークベンダーとして、PSIでは多層防御の考え方を前提に、物理・サイバー・運用を分断せず統合して捉えることを推奨します。単一施策では脅威の変化に追随しにくいためです。

また、ゼロトラストの観点で、遠隔接続や委託先を含むアクセスを前提に設計し、最小権限と継続的な可視化を徹底することが重要です。境界防御だけでは守り切れません。

さらに、ネットワークのセグメンテーションを軸に、OTとIT、船内と港湾、現場と本社の影響を局所化できる構造を目指すべきです。復旧を見据えた継続的な訓練も欠かせません。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

報道関係者様からのお問合せ先

株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp