PSI CyberSecurity Insight

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2026年3月5日

株式会社ピーエスアイ

大学・研究機関への攻撃が深刻化、学術データと産学連携情報が標的に

導入

大学や研究機関を狙ったサイバー攻撃が急激に増加しており、学生の個人情報だけでなく、最先端の研究データや産学連携で扱う企業機密が窃取される事件が相次いでいます。教育機関特有のオープンなネットワーク環境と、多様なユーザーが混在する管理の複雑さが攻撃者に狙われており、セキュリティ投資が企業に比べて限定的な教育機関は「狙いやすいターゲット」として認識されています。国際的な技術競争が激化する中、学術研究の成果が国家レベルでの情報窃取の対象となる深刻な事態が進行しています。

詳細な説明

教育機関の脆弱性は、その開放性にあります。学生、教職員、客員研究者、共同研究先の企業関係者など、多種多様なユーザーがネットワークにアクセスし、アクセス権限の管理が複雑になりがちです。また、学問の自由を重視する文化から、セキュリティ制限を最小限に抑える傾向があり、研究室単位で独自サーバーを運用したり、個人所有のクラウドサービスで研究データを管理したりするケースも多く見られます。攻撃者はこの管理の隙を突き、学生を標的としたフィッシングメールから侵入し、教授や研究室のアカウントへと権限を昇格させます。特に狙われるのは、医学部の臨床データ、工学部の技術仕様書、AI研究のアルゴリズム、企業との共同開発プロジェクトの成果物など、商業的・戦略的価値の高い情報です。

影響と対策

教育機関からの情報漏えいは、学生のプライバシー侵害、共同研究先企業への信頼失墜、国際競争力の低下、さらには国家安全保障上の問題にまで発展します。対策として、まず学生・教職員向けの実践的なセキュリティ教育を強化し、特にフィッシング攻撃への警戒心を高めることが重要です。技術面では、全学統一の多要素認証システム導入、ネットワークセグメンテーションによる研究データと一般業務の分離、定期的なアカウント監査による不要権限の削除が必要です。研究室レベルでの独自IT環境については、大学の情報基盤センターによる集中管理への移行を段階的に進めるべきです。産学連携プロジェクトでは、企業側のセキュリティ基準に準拠した専用環境の構築と、データの取り扱いに関する明確な契約条項の整備が求められます。また、卒業生や退職者のアカウント管理を厳格化し、不要なアクセス権限を速やかに削除する運用も欠かせません。

実践的なセキュリティ教育により、フィッシング攻撃への警戒心を高めている

まとめ

大学は「知の創造拠点」であると同時に、攻撃者にとっては「セキュリティの穴」でもあります。学術の自由とオープンイノベーションを維持しながら、世界最高水準の研究成果と学生の個人情報を守るセキュリティ体制の構築が、日本の学術競争力維持の前提条件となっています。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

報道関係者様からのお問合せ先

株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp