PSI CyberSecurity Insight

トップ> Insight Post一覧> PSI CyberSecurity Insight第86号:オンライン会議の録画・文字起こしデータが新たな情報資産に、放置されたクラウド保存が重大リスク

2026年2月19日

株式会社ピーエスアイ

オンライン会議の録画・文字起こしデータが新たな情報資産に、放置されたクラウド保存が重大リスク

背景

テレワークとオンライン会議の普及により、Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどで会議を録画し、クラウド上に保存する運用が一般化しました。さらに、AIによる自動文字起こし機能の発達により、会議内容がテキストとして簡単に検索・再利用できるようになっています。一方で、これらの「会議録画ファイル」や「文字起こしデータ」は、資料やメール以上に生々しい情報(戦略、価格、トラブル、個人評価など)を含むにもかかわらず、明確な管理ルールがないまま各ユーザーに委ねられているケースが多く、重大な情報漏えいリスクとなっています。特に、社外参加者を含む会議や、経営陣が参加する機密性の高い会議の録画データが適切な保護なしに保存されていることで、企業の競争力や信頼性に直結する情報が危険に晒されている実態があります。

実態

典型的な問題として、以下のようなケースが報告されています。社外参加者を含む会議を録画し、そのファイルが「リンクを知っていれば誰でも閲覧可能」といった形でクラウド上に保存されている事例があります。また、TeamsやZoomの録画が自動的にOneDriveやSharePointに保存される設定のまま、アクセス権限が「組織内のすべてのユーザー」に設定されており、本来関係のない部門の従業員でも閲覧できてしまうケースも見られます。さらに、AI文字起こしデータや要約データはテキスト検索が容易なため、「競合名」「価格」「人事」などのキーワードで検索すると、過去の機密会議の内容が一覧で表示される危険な状態になっていることもあります。こうしたデータは、退職者のアカウントや、プロジェクト終了後も削除されずに残り続けることが多く、「長期的な情報の時限爆弾」となります。特に、M&A交渉、人事評価、製品戦略、価格決定などの機密会議が含まれる場合、その情報価値は数年間にわたって維持されるため、攻撃者にとって格好の標的となります。

影響と対策

会議録画・文字起こしデータの漏えいは、製品戦略や価格戦略の流出、M&A・提携交渉の内容露見、社員の評価・健康情報などの個人情報流出につながり、競争力や企業イメージに致命的なダメージを与えます。対策としては、まず「録画のポリシー」を明文化し、録画の可否・保存期間・閲覧範囲をルール化することが重要です。機密度の高い会議は原則録画禁止、録画する場合はプロジェクト用の限定されたSharePointサイトやTeamsチャンネルにのみ保存し、自動的に一定期間後削除(アーカイブ)されるようライフサイクルポリシーを設定します。Microsoft 365やGoogle Workspaceでは、ラベル付けや情報保護(Information Protection)、保持ポリシーを活用して、録画ファイルに機密ラベルを自動付与し、ダウンロードや外部共有を制限できます。さらに、FortiGateやCheck PointのCASB機能を用いて、クラウドストレージ上の公開リンクや過剰な共有設定を継続的に検出・是正する仕組みを構築することで、ヒューマンエラーによる漏えいリスクを大幅に低減できます。従業員には、「録画は例外的な手段であり、保存と共有には通常以上の注意が必要」という意識付けを行う研修も有効です。

まとめ

オンライン会議の録画・文字起こしは便利な一方で、「口頭で話したこと」が半恒久的なデジタル資産として残る時代を意味します。メールや文書以上にセンシティブな情報が含まれることを前提に、保存・共有・削除のルールと技術的ガードレールを整えることが不可欠です。PSIでは、Microsoft 365やGoogle Workspace、Teams/Zoom環境と連携したクラウドセキュリティ・CASBソリューションの導入と、会議録画運用ポリシー策定を組み合わせ、オンライン会議時代にふさわしい情報保護体制の構築をご支援いたします。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

報道関係者様からのお問合せ先

株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp