PSI CyberSecurity Insight

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2026年2月5日

株式会社ピーエスアイ

M&A後に発覚するサイバーリスク、買収企業の「隠れた負債」を見抜くDDの重要性

背景

企業買収(M&A)の際、財務・法務・ビジネスのデューデリジェンス(DD:詳細調査)は当然行われますが、「サイバーセキュリティDD」を実施する企業はまだ少数派です。しかし、買収後に対象企業のシステムが既にマルウェアに感染していた、過去に大規模な情報漏えいが隠蔽されていた、脆弱性だらけのレガシーシステムが放置されていたといった「サイバー負債」が発覚し、買収企業が巨額の追加投資や法的責任を負うケースが増えています。特に、買収後に両社のITシステムを統合する際、被買収企業側のセキュリティ不備が買収企業側のネットワーク全体に感染を広げるリスクもあります。サイバーセキュリティは、もはやM&Aにおける「隠れた地雷」であり、事前の徹底調査が不可欠です。

実態

サイバーセキュリティDDでは、対象企業のIT環境を多角的に調査します。具体的には、過去のセキュリティインシデント履歴(情報漏えい、ランサムウェア感染など)、現在のセキュリティ対策状況(ファイアウォール、EDR、パッチ管理体制)、脆弱性診断結果、コンプライアンス状況(GDPR、個人情報保護法への対応)、サイバー保険の加入状況などを評価します。実際のM&A案件では、以下のような問題が発覚することがあります。対象企業が過去に顧客情報漏えい事故を起こしていたが開示されておらず、買収後に被害者から集団訴訟を起こされた事例、対象企業のサーバーに既にバックドアが仕込まれており、買収後にそこから買収企業のネットワークへランサムウェアが侵入した事例、レガシーシステムの刷新に数億円規模の追加投資が必要と判明した事例などです。特に危険なのは、買収発表から統合完了までの「移行期間」です。この期間中は管理体制が曖昧になりやすく、攻撃者はこの隙を突いて侵入を試みます。

影響と対策

サイバーセキュリティDDを怠ると、買収価格の再交渉、統合計画の大幅な遅延、買収後の巨額セキュリティ投資、最悪の場合は買収の撤回といった事態に発展します。対策としては、M&Aプロセスの初期段階からセキュリティ専門家をチームに加え、財務DDと並行してサイバーセキュリティDDを実施することが重要です。調査項目には、ネットワーク構成図の確認、外部からの脆弱性診断、ダークウェブでの情報漏えい調査、従業員へのセキュリティ意識調査などを含めます。FortiGateやCheck Point製品を導入している場合、その設定状況や運用実態も評価対象となります。買収後の統合フェーズでは、FortiGateやCheck Pointなどのセキュリティゲートウェイを両社ネットワークの接続点に配置し、相互の通信を厳格に監視・制御することで、一方の脆弱性が他方に波及することを防ぎます。また、統合完了までの期間限定で、被買収企業側のネットワークを「隔離モード」で運用し、段階的に統合を進めるアプローチも推奨されます。

まとめ

M&Aは企業成長の重要な戦略ですが、サイバーセキュリティの盲点があれば、成長どころか危機を招きます。「買ってから気づく」では遅く、「買う前に知る」ことが成功の鍵です。サイバーセキュリティDDは、もはやM&Aの標準プロセスとして組み込むべき時代です。PSIでは、M&A案件におけるサイバーセキュリティDDの実施、買収後の統合時のネットワークセキュリティ設計、そして統合後の継続的なセキュリティ強化まで、M&Aライフサイクル全体を通じたセキュリティ支援をご提供いたします。

会社概要

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URL:https://www.psi.co.jp
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