PSI CyberSecurity Insight

トップ> Insight Post一覧> PSI CyberSecurity Insight第54号:コンテナ・Kubernetes環境のセキュリティ、急速な普及に追いつかない防御体制

2026年1月27日

株式会社ピーエスアイ

コンテナ・Kubernetes環境のセキュリティ、急速な普及に追いつかない防御体制

背景

アプリケーション開発の主流がモノリシックな構造からマイクロサービスアーキテクチャへと移行する中で、Dockerなどのコンテナ技術や、そのオーケストレーションツールであるKubernetes(K8s)の利用が急増しています。開発スピードの向上やリソース効率の最適化といったメリットがある一方で、コンテナ環境特有のセキュリティ課題に対する理解や対策が追いついていない企業が多く見られます。従来のサーバー監視や境界防御の考え方だけでは、動的に生成・消滅を繰り返すコンテナや、複雑に通信し合うマイクロサービス間の脅威を捉えることが難しく、設定ミスや脆弱性を突いた攻撃によるインシデントが増加しています。

実態

コンテナ環境への攻撃は、主に「ビルド時」「デプロイ時」「実行時(ランタイム)」の3つのフェーズで発生します。ビルド時においては、Docker Hubなどの公開レジストリからダウンロードしたコンテナイメージにマルウェアやバックドアが混入している「サプライチェーン攻撃」のリスクがあります。デプロイ時には、Kubernetesの設定ミス(Misconfiguration)が最大のリスク要因です。例えば、特権モード(Privileged)でのコンテナ実行許可、APIサーバーの外部公開、シークレット(パスワードやAPIキー)の平文保存などが放置されているケースが散見されます。実行時には、Webアプリケーションの脆弱性を突いてコンテナ内に侵入し、そこからホストOSへの脱出(コンテナブレイクアウト)を試みたり、クラスター内の他のコンテナへ横展開(ラテラルムーブメント)したりする攻撃が行われます。攻撃者は侵入したコンテナ環境を、暗号資産マイニングの計算資源として悪用したり、機密データの窃取拠点として利用したりします。

影響と対策

コンテナ環境の侵害は、サービス停止や情報漏えいだけでなく、クラウド環境全体の乗っ取りにつながる可能性があります。対策としては、開発ライフサイクル全体にセキュリティを組み込む「DevSecOps」の実践が不可欠です。具体的には、CI/CDパイプライン上でコンテナイメージの脆弱性スキャンを自動化し、既知の脆弱性を含むイメージのデプロイを阻止します。また、Kubernetesの設定ミスを防ぐために、OPA(Open Policy Agent)などのポリシー管理ツール導入や、CISベンチマークに基づいた堅牢化を行います。実行時の保護には、CNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)と呼ばれる包括的なクラウドセキュリティソリューションが有効です。FortinetのFortiCNPやCheck PointのCloudGuard Workload Protectionなどは、コンテナ間の通信を可視化し、異常なプロセス起動や不正な通信をリアルタイムで検知・遮断します。さらに、最小権限の原則に基づき、コンテナが必要とするリソースやネットワークアクセスのみを許可する厳格なポリシー適用も重要です。

まとめ

コンテナ技術はビジネスの俊敏性を高めますが、セキュリティがボトルネックになっては本末転倒です。「動くものは攻撃される」という前提で、コンテナのライフサイクル全体を保護する専用のセキュリティ対策が必要です。PSIでは、ネットワーク製品とCNAPPソリューションを組み合わせ、開発スピードを損なうことなく、コンテナ・Kubernetes環境を包括的に保護する支援をご提供いたします。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

報道関係者様からのお問合せ先

株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp