PSI CyberSecurity Insight
2026年1月13日
株式会社ピーエスアイ
「守護者」が「侵入口」に、セキュリティ製品自体の脆弱性を狙う攻撃が増加
背景
企業ネットワークを守るはずのファイアウォール、VPN機器、EDR(Endpoint Detection and Response)、SIEM(Security Information and Event Management)などのセキュリティ製品自体が、攻撃者の標的となる事例が増加しています。これらの製品は、ネットワークの境界に配置され、あるいは全端末にインストールされ、管理者権限で動作するため、一度脆弱性を突かれると組織全体への侵入経路となり、さらには防御機能を無効化されてしまうという二重のリスクがあります。「セキュリティ製品だから安全」という思い込みが、逆に管理の甘さを生み、パッチ適用の遅れや設定ミスが放置される傾向があります。攻撃者はこの盲点を突き、セキュリティ製品のゼロデイ脆弱性を積極的に探索・悪用しています。
実態
セキュリティ製品への攻撃は、主に以下のパターンで実行されます。第一に、管理コンソールやWeb UIの脆弱性を突いた不正アクセスです。多くのセキュリティ製品は、管理者がブラウザ経由で設定変更を行うためのWeb管理画面を持っていますが、これが認証バイパスやリモートコード実行の脆弱性を抱えている場合、攻撃者は管理者権限を奪取できます。第二に、ログ収集・分析機能を悪用した攻撃です。SIEMやログ管理製品は、大量のログデータを受信・処理するため、細工されたログメッセージを送り込むことでコマンドインジェクションやバッファオーバーフローを引き起こす攻撃が確認されています。第三に、エージェント型セキュリティソフトの特権昇格脆弱性です。EDRやアンチウイルスソフトは、システムの深部にアクセスするため高い権限で動作しますが、その権限昇格メカニズムに脆弱性がある場合、攻撃者は一般ユーザー権限からシステム管理者権限を奪取できます。実際に、Pulse Secure、Fortinet FortiOS、Palo Alto Networks製品、SolarWinds Orion、Microsoft Defender、Trend Microなど、主要なセキュリティベンダーの製品で深刻な脆弱性が過去に発見され、攻撃に悪用された事例が複数報告されています。
影響と対策
セキュリティ製品の侵害は、「守りの要」を失うことを意味し、その後の攻撃検知・防御が機能しなくなるという致命的な結果をもたらします。対策としては、まず「セキュリティ製品も脆弱性を持つ」という前提に立ち、ベンダーが提供するセキュリティアドバイザリを常時監視し、パッチが公開され次第、最優先で適用する体制を構築することが不可欠です。FortinetやCheck Pointなどの主要ベンダーは、PSIRT(Product Security Incident Response Team)を通じて脆弱性情報を迅速に公開しており、これらの情報を定期的に確認する運用が重要です。また、セキュリティ製品の管理画面へのアクセスは、信頼できるIPアドレスからのみ許可し、多要素認証を必須とするなど、厳格なアクセス制御を実施します。さらに、「セキュリティ製品を守るセキュリティ対策」として、ネットワークセグメンテーションにより管理セグメントを分離したり、WAF(Web Application Firewall)でセキュリティ製品の管理画面を保護したりする多層防御も有効です。加えて、複数のセキュリティベンダー製品を組み合わせる「マルチベンダー戦略」により、単一製品の侵害が全体の崩壊につながらない冗長性を確保することも検討すべきです。
まとめ
「守護者」であるセキュリティ製品が「侵入口」となる皮肉な事態は、もはや例外ではありません。セキュリティ製品自体のセキュリティ管理、すなわち「メタセキュリティ」の視点が不可欠です。パッチ管理の徹底、アクセス制御の厳格化、多層防御の実装が重要です。PSIでは、FortiGateやCheck Point製品の最新脆弱性情報の提供と迅速なパッチ適用支援、そしてセキュリティ製品自体を守るためのネットワーク設計コンサルティングを通じて、「守護者」が確実に機能し続ける環境づくりをご支援いたします。
参照記事リンク:
CISA Known Exploited Vulnerabilities Catalog, FortiGuard Labs PSIRT Advisories, Check Point Security Advisories会社概要
社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング
報道関係者様からのお問合せ先
株式会社ピーエスアイ
広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp