PSI CyberSecurity Insight

トップ> Insight Post一覧> PSI CyberSecurity Insight 第6号:ゼロデイ脆弱性を狙った攻撃が急増、パッチ公開前の防御策が重要に

2025年12月17日

株式会社ピーエスアイ

ゼロデイ脆弱性を狙った攻撃が急増、パッチ公開前の防御策が重要に

背景

ベンダーがセキュリティパッチを公開する前に脆弱性を悪用する「ゼロデイ攻撃」が世界中で急増しており、従来のパッチ適用による事後対応では防ぎきれない脅威が拡大しています。特にファイアウォール、VPN機器、Webブラウザ、メールクライアントなど、広く使用されている製品の脆弱性が標的となり、攻撃者はパッチが公開される前の限られた時間帯に集中的な攻撃を仕掛けています。高度な攻撃グループは脆弱性情報を闇市場で高額取引し、国家支援型のサイバー攻撃や産業スパイ活動に利用する事例も確認されており、企業にとって予測不可能な脅威となっています。

実態

ゼロデイ脆弱性は、ソフトウェアベンダーや一般のセキュリティコミュニティがまだ認識していない、または認識していてもパッチが未公開の脆弱性を指します。攻撃者はこれらの脆弱性を独自に発見するか、ダークウェブ上の脆弱性取引市場で購入し、防御側が対策を講じる前に攻撃を実行します。近年では、脆弱性研究者が発見した情報が適切に管理されず、攻撃者の手に渡るケースや、ベンダーへの報告前に悪用される事例も増加しています。特にリモートコード実行(RCE)や権限昇格を可能にする脆弱性は高値で取引され、標的型攻撃の初期侵入手段として利用されます。また、パッチが公開された直後も、多くの企業が適用に時間を要するため、「N-day攻撃」として短期間に大規模な被害が発生する傾向があります。

影響と対策

ゼロデイ攻撃による被害は、機密情報の窃取、システムの完全掌握、ランサムウェア感染など多岐にわたり、パッチ公開前という性質上、事前の完全な防御は困難です。しかし、多層防御戦略により被害を最小限に抑えることは可能です。FortiGateやCheck Pointなどの次世代ファイアウォールに搭載されているIPS(侵入防止システム)やサンドボックス機能は、既知の攻撃パターンや異常な通信を検知してブロックします。また、仮想パッチング技術を活用することで、実際のパッチ適用前に脆弱性を悪用する攻撃を防ぐことができます。さらに、ネットワークセグメンテーションによる被害範囲の限定、最小権限の原則に基づくアクセス制御、定期的な脆弱性診断とペネトレーションテストの実施、脅威インテリジェンスの活用による早期警戒体制の構築が重要です。

まとめ

ゼロデイ脆弱性は「いつ」ではなく「必ず」遭遇する脅威として認識する必要があります。パッチ適用だけに依存した防御戦略は限界を迎えており、攻撃を前提とした多層防御と迅速な検知・対応体制の構築が不可欠です。PSI社では、ネットワーク製品を通じて、お客様を未知の脅威から守るソリューションを提供いたします。

会社概要

社名:株式会社ピーエスアイ(PSI)
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目5-3 建成新宿ビル4階
設立:1994年
TEL:03-3357-9980
FAX:03-5360-4488
URL:https://www.psi.co.jp
事業内容:サイバーセキュリティ製品の販売および導入支援、運用サポート、ITコンサルティング

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広報担当:内藤
電話番号:(03)3357-9980
Eメールアドレス:psi-press@psi.co.jp